おしんとイスラーム社会

地元紙の夕刊で連載されている「世界は今 県人リポート」
さまざまな国に県人が暮らし、活躍している様を読み聞きできるとても素晴らしい企画。

本日はエジプト在住20年以上の紺野文彰さんの記事でした。
NHKの「おしん」が十数年前にエジプトで放映され大ヒット。
なぜそこまでヒットしたのか、、、
紺野さんは、「おしん」時代の日本文化とエジプト社会(アラブ社会)の伝統文化に驚くほどの共通点があったからではないかと考えているそうです。
理想的な妻であり母である「おしん」はシャリーア法(イスラーム法)に基づくムスリマの手本として受け入れられたのではないか、、、。

なるほど。。。  インドネシアでも「おしん」は大ヒット。
おしん」が放映され数十年たった今でも、私は日本人であるだけでよく「おしん」呼ばわりされました。
それほど人々の心に残るドラマだったのでしょう。

以下、紺野さんの記事より
"19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて日本に滞在したエジプトの知識人ガルガリは日本人の忠誠心や義理、正義を重んじる武士道精神を垣間見た印象を「日本にはイスラーム教はないけれども、人々の行動はイスラームが理想とする行動様式に非常によく似ている。日本人はアッラー(SWT)を信じないムスリム」と語る。"


私が初めてイスラームについて勉強したときの第一印象は「昔の日本の道徳」でした。
だからなのか、とても自然にイスラームを受け入れることができました。
よいムスリマになろうとすると、自然に生き方も変わってきました。


実は昨日、父の七回忌の法要がありました。
夫婦で仏教行事に参加するのはこれが初めて。
昨日は断食もお休みしました。
まぁ私はさておき、夫は内心どう思っていたのでしょうか、、ちょっと心配でしたが、、、
アルハムドュリッラー、新調した礼服もサマになりきちんと義息子役を務めてくれました。
昨日は土曜日でお寺の法要の予約は満状態。それに加え、突然のお葬式。
お坊さんは分刻みのスケジュール。
父の法要もわずか15分で終わりでした。


母が、お寺に納めるお布施等々、、金額の大きさにため息をついているのを見て
「そんなにお金のかかる宗教はおかしいよ」
と、ついつい口走ってしまいました。
「日本はね、お金がないとお葬式もできないの」
そう言う母の言葉を聞きながら、質素でありながらも暖かいジャワのお葬式を思い出しムスリマとして過ごせる人生にあらためて感謝しました。




"われわれは戦後の日本が経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずにして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。"
*三島由紀夫 檄文より


昔ながらの日本のよい習慣、伝統、文化、行動様式等々、、先人たちの遺産が失われていく昨今。
そして増えていく奇怪な事件。
この先の日本はどうなっていくのでしょうか。



実は私、「おしん」をちゃんと見たことがありません。
NHKで再放送があったら今度こそ絶対見てみたいと思います。